河内長野市役所食堂 On KiTCHEN

建築・内装

家具・什器

ワークショップ

プロジェクト概要

河内長野市役所食堂 On kitchen の設計と家具製作を担当しました。
大きなガラス面に恵まれた空間を生かし、中のぬくもりが外に溢れ出て広がっていくようなイメージを持ちながら設計しました。

グラフィックデザインの[designと]田中さんのアイデアで壁面はどこにでもフックが掛けられる仕様としました。時間帯による客層の変化や障がいを持った方への対応など、広くフレキシブルな使い方をする空間において、サインを自由に使い分けられる仕組みは運営法人ぬくもりの考えともマッチしています。

運営
社会福祉法人ぬくもり
プロデュース
前田展広事務所
設計
合同会社アトリエカフエ
施工
HAUS有限会社
家具什器製作
合同会社アトリエカフエ
グラフィックデザイン
design と
撮影
衣笠名津美
オープン
2018年6月

プロセス

①堺市役所地下食堂 森のキッチンをモデルに設計開始

②基本設計中、社員研修としてワークショップ開催

③食堂のコンセプトを持ち運ぶための「ぬくもりタワー」製作

④河内長野市の製材所にご協力いただき、地元木材手配

⑤地元木材でベンチを作るワークショップ開催

⑥弊社で製作した家具什器を設置して竣工

プロジェクトドキュメント

元々いわゆる社員食堂として使われていたものの数年空室となっており、良いリッチかつガラス張りの食堂は少し寂しい雰囲気となっていました。
2015年に堺市で設計を担当した「堺市役所地下食堂 森のキッチン」をモデルに、地元の社会福祉法人が運営して食堂を再生することとなりました。
プロデューサーの前田展広さんからのお声がけで、弊社が空間担当となりました。
食堂を運営する社会福祉法人ぬくもりからの依頼で、定期的に行われる社員研修で食堂にまつわるワークショップを企画・実施しました。食堂に必要だと思うことと、それを実現するためのアイデアを社員に募り、設計に活かすことと、自分たちが中心になって育てていかないといけないという意識を持ってもらうことを目的としました。
ぬくもりの優しい世界観を食堂で表現できるようデザインを進めつつ、食堂だけではなく、イベント出店などでもぬくもりのことを知ってもらいたいというスタッフさんの希望があり、食堂に先行して「ぬくもりタワー」を製作しました。designと さんとデザイン。ぬくもりで日々起こる良いエピソードが集まったタワーで、話が尽きません。板一枚ごとに分解できる仕様となっています。
スタッフさんと打合せを進める中で、市役所の食堂ということと、地元への貢献などからぜひ地元の木材を少しでも使いたいという声がありました。大阪府森林組合が運営する製材所「ウッドベースかわちながの」さんに協力いただき、家具で使用する材料を一部手配いただきました。
施工が始まってから、ウッドベースさんにいただいた木材をスタッフのみなさんとやすりがけと塗装をし、ベンチを仕上げるワークショップを行いました。2日間ほど現場をオープンにし、自由な時間に参加できるようにしたことで、たくさんの方に関わっていただきました。
元の食堂は外壁のタイルが内装にも続き、ガラス張りでとても抜けがよく気持ち良い空間でしたが、今回はその名の通り「ぬくもり」がテーマとなり、壁は木材で仕上げることとなりました。施工はHAUS有限会社植村さん。いつも現場でもいろいろ相談に乗ってもらい、とてもありがたい存在です。
サイン、家具など設置して完成。壁面には等間隔でねじ穴がついており、フックをかけることで自由な場所に設置できるサイン計画が特徴です。時間帯でオペレーションや使用できるトイレが変わったり、休日はイベントで使用したりとフレキシブルな使い方が見込まれ、自分たちで工夫しながら活用できる仕組みとしました。
市役所の社員食堂ですが、多様な人が使い多様なシーンを生み出す場所となりますので、滞在の仕方も自由度の高いものを目指しました。いろんなアイデアをたくさん持っているスタッフさんが運営しているので、今後も一緒に考えながらアップデートができると良いと思います。